受発注業務をペーパーレス化するメリットとは?手順やデメリットも解説
建設業界では、まだ紙ベースのアナログな受発注業務が多く残っています。しかし、アナログな受発注業務では、ミスが多くなる可能性が高かったり、管理コストが高くなったりと課題が多くあります。この記事では、受発注業務のペーパーレス化のメリット・デメリットや導入手順を詳しく解説します。
受発注業務をペーパーレス化するメリット
まずは受発注業務をペーパーレス化するメリットを5つご紹介します。
業務効率の向上とコストの削減
受発注業務をペーパーレス化することで、業務効率化とコスト削減の効果が見込めます。紙の書類の場合、書類を探すのに手間がかかる、補完整理の手間がかかるなど、業務効率が低下していました。電子データ化された書類はキーワードで検索でき、文書の保管や情報の検索・共有が容易になり、業務効率の向上につながります。従来の紙保管でかかっていた印刷費用や保管場所の維持費、郵送費用などが削減されるだけでなく、検索や郵送に係る手間も短縮されるなど、コスト削減効果も見込めます。
書類紛失や情報漏洩の防止
2つ目のメリットは、書類紛失や情報漏洩の防止につながる点です。紙の書類の場合、持ち運びによる紛失や盗難、自然災害による破損などのリスクがあります。紙文書であればキャビネットを開けられる人なら、誰でもさまざまな情報を取り出すことができ、機密情報が第三者の目に触れられるリスクも高くなるでしょう。ペーパーレス化が進むことで、データのアクセス権限を設定し、不正なアクセスを防ぐことが可能です。また、データを誰がいつ操作したかの履歴を残すことができ、不正行為を早期に発見し対処することもできます。さらに電子データはクラウド上に保存され、定期的にバックアップを取っておけば、災害発生時にもデータ復旧が容易である点もメリットです。
オフィスの省スペース化
3つ目のメリットは、オフィスの省スペース化につながる点です。紙資料の保管には、キャビネットや倉庫など多くのスペースが必要です。特に注文書・納品書・契約書や伝票などの経理文書は法律で7年間の保管が義務付けられています。書類の量が膨大になるため、企業は大量のキャビネットや倉庫を用意して保管しなければなりません。ペーパーレス化できればこれらの保管スペースは不要になり、余ったスペースを他の業務に活用したり、削減してコスト圧縮につなげたりすることが可能になります。
リモートワークの推進
ペーパーレス化は、リモートワークの推進にもつながります。働き方改革の推進やコロナ禍をきっかけに、リモートワークの導入を進める企業が大幅に増えています。紙などのアナログでの作業が残っていると、出社せざるを得なくなり、リモートワーク推進の妨げになります。ペーパーレス化によってデータをどこでも共有できれば、場所や時間に縛られないリモートワークを実現しやすくなります。
環境への配慮やSDGsの推進
5つ目のメリットは、環境への配慮やSDGsの推進につながる点です。ペーパーレス化は、紙資源の大幅な削減につながります。近年では、SDGsやサステナビリティの推進が注目され、企業にもさまざまなシーンで環境への配慮が求められています。環境配慮の観点でもペーパーレス化への取り組みは効果的で、企業のブランディングにもつながります。
受発注業務をペーパーレス化するデメリット
次に受発注業務をペーパーレス化するデメリットについて4つご紹介します。
導入・運用のコスト
ペーパーレス化には、システムの導入や運用にコストがかかる点はデメリットです。専用のソフトウェアの導入費用、システムの設計、カスタマイズ、従来の紙資料の電子化、従業員への教育など、導入には多くの手間とコストがかかります。発注書、納品書、伝票などの経理書類を電子化する場合には、電子書類保管のための法的な手続きも必要です。運用開始後もシステムのメンテナンスやアップデートへの対応など、継続的にコストが発生します。長期的に見れば、これらのコストは業務効率化やコスト削減の効果で十分に回収できますが、一時的にコスト支出が先行し、財務状況に影響を与えることがある点はデメリットといえるでしょう。
ITリテラシー研修の計画
2つ目は、従業員へのITリテラシー教育が必要になる点です。長年紙ベースでの文書での業務に慣れている人にとって、ペーパーレス化はストレスや戸惑いにつながることも少なくありません。場合によっては作業効率の低下やミスの増加につながる可能性もあります。 従業員間でもITリテラシーやスキルの格差が生まれるケースもあるでしょう。そのため、ペーパーレス化のメリットを最大化するためにも、ペーパーレス化を受け入れられない人やうまく活用できない人に対する対策は必須です。従業員への研修やフォローなどを十分に行い、場合によっては段階的な移行や紙と電子の平行運用なども検討していきましょう。
従業員や取引先からの理解と協力を得る努力
3つ目のデメリットは、従業員や取引先からの理解と協力を得る必要がある点です。ペーパーレス化は、内部の業務だけでなく、取引先とのやり取りにも影響を及ぼします。取引先によっては、デジタル化に対応していないこともありますし、紙ベースでのやりとりを好む企業も依然として多く残っています。自社のペーパーレス化を推進するうえでは、取引先に対してもデジタル文書の受け入れなどについて、理解と協力を得ていく必要があります。取引先の対応には、時間やリソース、コストがかかる可能性があり、場合によっては調整が必要となる場合もあるでしょう。
セキュリティのリスクやシステム障害による業務停止
4つ目のデメリットは、セキュリティリスクやシステム障害による業務停止につながる恐れがある点です。ペーパーレス化により電子化された書類は、クラウド上やサーバーに保管されるため、ネットワークやシステムのエラーによって、閲覧ができなくなる可能性があります。また、ウイルス感染による情報漏洩や手違いでの消去などのトラブルが起こる可能性もあるでしょう。これらのリスクに対応するために、定期的なバックアップやサーバー、ネットワークの冗長化、重要書類のオフライン保管などの対策をしておく必要があります。
受発注業務をペーパーレス化する手順
最後に受発注業務を実際にペーパーレス化する際の手順について、詳しく解説します。
Step:1 現状の課題を特定する
受発注システムを導入するにあたっては、まず現在の業務で抱えている課題を明確にしましょう。担当者からのヒアリングや業務プロセス全体の見直しなどから、問題点を洗い出します。ペーパーレス化は、単にシステムを導入するだけでなく、業務プロセスやフローを見直し、全体改善につなげることが重要です。
Step:2 目的と範囲を明確にする
次は洗い出した問題点を元に、ペーパーレス化の目的やシステムの導入範囲を明確にします。この際、整理した現状の業務からどの部分をシステム化するか、どの文書をペーパーレス化するかを明確にしておきましょう。目標を設定する際には、単に電子化するだけでなく、データをどのように活用したいのか、業務をどう改善したいのかといった長期的な視点を持っておくことが重要です。
Step:3 適したシステムやツールを選定する
目的と範囲を明確にしたら、次に適したシステムやツールを選定します。ITリテラシーが低い従業員もスムーズに業務に取り組めるよう、できるだけ使い勝手がよく、直感的に操作できるシステムを選ぶのがおすすめです。とくに書類のやり取りが煩雑な受発注業務においては、各書類の受発信などもデジタルで行える機能があるものを選ぶと、コストカットや業務効率化に大きく貢献します。
Step:4 マニュアル作成や社内研修を行う
社内の管理者やユーザー向けに、システムの操作マニュアルや社内研修を行います。導入初期には部署にシステムを理解した担当者を配置し、問い合わせ窓口を設置するなど、スムーズな導入をサポートする体制を構築するのもおすすめです。
Step:5 段階的に運用しながら改善していく
システム導入時にはいきなり全部門で始めるのではなく、一部の部門でスモールスタートし、改善点がないかを確認していくのがおすすめです。スモールスタートで業務に問題がないことを確認してから、対象の書類を電子形式に変換し、段階的に導入を進めましょう。
まとめ
本記事では、受発注業務のペーパーレス化について、そのメリット・デメリットや導入手順について、詳しく解説しました。受発注のペーパーレス化は、業務の効率化・コスト削減・セキュリティリスクの低減などにつながるだけでなく、働き方改革の推進、環境への配慮といった面でも効果が見込めます。株式会社ダイテックでは建設業に特化したクラウド型電子受発注サービス受発注Plusを提供しています。受発注管理や納品/査定・請求・支払管理など建設業で必要な機能に絞っており、受発注業務のペーパーレス化も容易です。 操作もシンプルなため、システムに不慣れな人でも安心して使え、導入後すぐに運用を開始できます。受発注業務のペーパーレス化をご検討中の担当者様はぜひ参考にしてください。
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