建設業の安全パトロールとは?工事現場のチェックリストも解説

建設業の安全パトロールとは?工事現場のチェックリストも解説
建設業の安全パトロールとは?工事現場のチェックリストも解説

建設業の安全パトロールとは?工事現場のチェックリストも解説

工事現場では思わぬトラブルが発生しやすく、経験豊富な作業員であっても、ちょっとした油断や確認不足が大きな事故につながることがあります。現場で発生するさまざまなリスクを防ぐために欠かせないのが、安全パトロールです。

本記事では安全パトロールの概要や実際の進め方、確認しておくべき注意点などを紹介します。安全管理を担当される方や現在の工事現場の安全管理に問題があると感じている方は、ぜひ参考にしてください。

建設業の安全パトロールとは?

建設業の安全パトロールとは、定期的に工事現場の見回りを行い、事故やケガなどにつながる危険な行動・状態がないかを確認する作業です。パトロールによって問題のある箇所が見つかれば、必要に応じて改善を促すことになります。

単純な見回りではなく、作業方法や手順、設備の使い方に加え、周囲の環境まで含めて総合的に確認するのが特徴です。

重要性

建設業において安全パトロールが重要とされるのは、重大事故に直結しやすい業種であるためです。例えば、高所作業や大型機械の操作、重量物の運搬などは、対応を誤るだけで大きなケガや命に関わる事故につながることがあります。

また、工事現場では複数の会社や職種の作業員が同時に働くことも多く、指揮命令系統の異なる人たちが混在するケースも珍しくありません。会社によってルールが異なることもありますが、それが共有されていないために起こる事故もあるので、安全パトロールによって全体を確認し、共通の安全意識を持たせる必要があります。

頻度と時間

安全パトロールは一定基準に基づき継続的に実施しましょう。厚生労働省の指針では、作業場所の巡視を毎作業日に1回以上行うことが望ましいとされています(※)。毎日行うのが理想ではありますが、現場の規模や体制によっては週1回以上の実施とするケースや定期点検として月1回の頻度で行われるケースもあります。

(※)参照元:厚生労働省・都道府県労働局労働基準監督署「元方事業者による建設現場 安全管理指針のポイント」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/040330-3a.pdf

建設業の安全パトロールの流れ

安全パトロールでは、ただ工事現場を歩いて確認するのではなく、事故防止に結びつくようなパトロールを実施することが重要です。ここでは、一般的な安全パトロールの流れを解説します。

目的や範囲を決める

まずは何の目的で安全パトロールするのか、どこまで確認するのかを明確にしておきましょう。目的を定めることなくパトロールを行っても確認すべきポイントが曖昧になり、危険要因を見逃してしまう可能性があるためです。

また、過去に是正指示や安全指示を出している場合はそれがきちんと現場で守られているかを確認する必要もあります。

運用体制を構築する

安全パトロールは、継続して行うことが大切です。そのためには、無理のない運用体制を構築しておかなければなりません。例えば、特定の担当者のみがパトロールする形だと、その担当者に負担が集中してしまいます。

また、パトロール担当者が複数いる場合でも巡回内容に差が出ないように、チェック項目の基準をある程度そろえておきましょう。どのような流れで進めるのか、何を確認するのかについてはマニュアルを作成しておくと便利です。

工事現場を巡回する

実際に工事現場を巡回する際は、あらかじめ定めたチェック項目に沿って確認します。その際は、現場全体の雰囲気にも目を向けましょう。例えば、安全な作業のために行うべき声かけが正しく実施されているか、現場での人の動きに危険性はないかなどにも注意を払うことが重要です。安全パトロールだけでは把握しきれない、現場のやりにくさや潜在的な危険性を作業員が感じている場合もあるため、実際に作業している人から話を聞くのもよいでしょう。

是正指示・再点検・記録保管を行う

パトロールで保護具の未着用や足場の不備、整理整頓が行き届いていない状態など危険な行動や状態を見つけたら、必要に応じてその場で是正指示を出します。是正指示を出す際は、何がどのような理由で危険なのか、どういった形に改善すればよいのかを分かりやすく伝えましょう。工事現場では作業効率を優先した結果、危険な状態になっている場合もあります。そのため、作業員が納得できるように理由と改善方法を伝えないと、指示に従ってもらえないことがあります。

また、是正直後は指示に従っていても、徐々に元に戻ってしまう可能性もゼロではありません。是正後に本当に改善されたかを確認するため、再点検も実施しましょう。パトロール内容や指摘事項は記録として残し、関係者が共有できる形で保管しておきます。

建設業の安全パトロールの注意点

安全パトロールを効果的に行うためには、いくつかポイントを押さえておくことが大切です。特に以下の3点に注目しましょう。

工事現場とのコミュニケーション

安全パトロールの目的は工事現場に潜んでいる危険を見つけ、改善を求めることにあります。ただ頭ごなしに注意してしまうと、作業員は「怒られた」という印象のみを強く持ってしまい、安全意識の向上にはつながらない可能性がある点に注意が必要です。工事現場の安全を守るために行う巡回であることを作業員にも理解してもらい、問題点を指摘する際のコミュニケーション方法にも注意しましょう。

ルールの策定

安全対策のためにルールを設けても、それが工事現場では守られていないケースがあります。形だけのルールにならないように対策を講じなければなりません。

ルールを設ける際は、その目的や効果を作業員と共有しておくことが大切です。巡回する際は単純に工事現場での問題点を探すのではなく、定めておいたルールが守られているかといった視点で確認を行いましょう。

報告書の作成

安全パトロール後に作成する報告書は、再発防止のための資料として役立ちます。何か工事現場で危険行動や危険な状態を発見した際は、報告書を作成し、是正内容とあわせて関係者に共有しましょう。安全パトロールを行っても情報が共有されなければ、他の工事現場でも同様のミスが繰り返される可能性があります。

文章だけだと伝わりにくい問題点については、写真や映像を利用するのも効果的です。危険性がより具体的に分かるようになります。

なお、報告書の作成は重要な業務である一方、担当者の負担になってしまうこともあります。効率よく報告書を作成できる環境やシステムを整備するなどの工夫にも取り組んでいくことが大切です。

建設業の安全パトロールに関するよくある質問

ここでは、安全パトロールに関してよく寄せられる質問と回答について紹介していきます。

チェックリストはありますか?

厚生労働省が公開している安全パトロールのチェックリストがあります(※)。安全パトロールでは多岐にわたる項目を確認することになるので、チェックリストを確認したうえで漏れなく実施しましょう。ただし、1つのチェックリストをすべての工事現場で使い回すのは現実的とはいえません。これは、工事内容や現場環境によって想定されるリスクが異なるためです。

ゼロから作成するのが負担になる場合は、国土交通省などの公的機関が提供しているチェックリストを参考にし、自社や工事現場に合わせてカスタマイズするのもよいでしょう。

(※)参照元:厚生労働省「現場安全パトロールチェックリスト【簡易版】」(PDF)
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/content/contents/001771793.pdf

運営するうえの課題は何ですか?

報告書の作成や管理に手間がかかる点は課題といえます。特に紙での記録や写真整理が必要となる場合はこれらに時間を取られ、本来時間をかけて行うべき安全確認に十分な時間を割けないケースもあるでしょう。

また、報告書や写真は関係者に速やかに共有することが望ましい一方で、それが難しい点も課題です。こうした課題に対し、近年では紙の報告書ではなく情報を共有しやすいデジタルツールを活用して安全管理を行う工事現場も増えています。

法的な義務はありますか?

安全パトロールは、すべての工事現場で義務づけられているわけではありません。しかし、特定の業種や事業場では実施が求められています。

建築業では常時使用する労働者の数が50人以上である場合、安全委員会、衛生委員会を設置して安全衛生に関する活動を行わなければなりません(※)。安全パトロールは、この安全衛生に関する活動の中に含まれています。

(※)参照元:厚生労働省「安全委員会、衛生委員会について教えてください。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/1.html

まとめ

建設業の安全パトロールは、事故を未然に防ぐための基本ともいえる取り組みです。しかし、そのためには目的や範囲を明確にしたうえで適切に実施していかなければなりません。また、工事現場とのコミュニケーションやルールの策定も行っておきましょう。

課題としては、報告書作成や情報共有に手間がかかる点が挙げられます。ダイテックが提供する施工現場管理アプリ現場Plusなら安全パトロールのチェックリストや指摘事項、写真、是正状況まで一元管理できます。月額1万円から利用でき、操作性の分かりやすさやサポート体制も評価されています。