建設業界でペーパーレス化を進めたほうが良い?理由・流れ・ポイントを解説

建設業界でペーパーレス化を進めたほうが良い?理由・流れ・ポイントを解説
建設業界のペーパーレス化イメージ

建設業界では図面や工程管理表など紙の書類が依然として多く、ペーパーレス化の進展が遅れています。ペーパーレス化には、コスト削減や業務効率化、セキュリティ向上などメリットも多く、ペーパーレス化の必要性を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、建設業界でペーパーレス化が必要な理由や進め方、進める際のポイントについてご紹介します。

建設業界でペーパーレス化が求められる理由

まずは建設業界でペーパーレス化が求められている理由を見てみましょう。

業務を効率化してコストを削減する

ペーパーレス化で最も求められているのが、業務効率化とコスト削減です。数多く残る紙書類を電子化することで、書類作成の効率化や保管・印刷などのコストの削減が見込めます。また、図面は何度も修正が入ることが多くありますが、データで管理しておけばどれが最新の資料かわからないといった混乱を招くこともありません。さらにデータ化することで検索性も向上し、他部署や取引先との情報共有もしやすくなるなど多くのメリットが期待できます。

書類紛失・情報漏洩のリスクを減らす

ペーパーレス化は、書類紛失や情報漏洩などのセキュリティリスクを減らすことができます。紙資料は現場や移動中の置き忘れによる情報漏洩のリスクが常に存在します。ペーパーレス化したデータをクラウド上に保管し、アクセス権やパスワードで保護しておけば、情報漏洩のリスクを防ぐことができます。データ化しておくことで、災害などが起こった際にもクラウド上で情報が保護される点もペーパーレス化のメリットといえます。

現場とオフィスで情報を円滑に共有する

建設業界では、現場での図面変更や作業報告など、毎日のようにさまざまな情報や書類が発生します。紙のやりとりでは情報共有がリアルタイムにできず、現場とオフィスで認識がずれることも少なくありません。報告書や図面をデータ化し、クラウドに保存していれば、現場で発生した情報が即座に共有されます。これにより関係者全員が常に最新情報に基づいて判断・コミュニケーションできるため、工事の円滑な進行、手戻り防止など効率化につながります。

建設業界でペーパーレス化を進める流れ

次に建設業界でペーパーレス化を進める際の流れをご紹介します。

対象の書類を選定する

まずはペーパーレス化したい書類を選定しましょう。法律的にすべての書類を電子化できるわけではありませんので、優先順位や電子化の可否を踏まえて、書類を仕分けます。建設業界では、図面、見積書、請求書、工程表、検査記録、日報など多くの種類の書類があります。中でも頻繁に作成・利用しているものや、共有の必要性が高いものから優先的に電子化を進めると効果が出やすくなります。書類の中には、法的に原本保存が義務付けられているものや顧客の協力が必要なものもあるため、要件をしっかり確認しながら進めるようにしてください。

ITツールやクラウドサービスを導入する

書類が選定出来たら、次にITツールやクラウドサービスなどのペーパーレス化で使用するシステムを選定します。システムには、クラウド型の共有システムや現場報告アプリ、電子契約サービスなど多種多様なものがあります。たとえ高機能のものであっても、自社で使いこなせなければ意味がありません。まずは自社で電子化したい書類の種類や、必要な機能、操作性などを基準に複数のツールやシステムを比較しましょう。

従業員の研修と運用ルールの整備を行う

ツールやシステムを導入したら、次に重要なのが従業員教育と運用ルールの整備です。ツールを導入しても、実際に使いこなせてこそ効果が出ます。まずは入力ルールやファイルの命名規則、アクセス権限など、運用に必要なルールを整備しましょう。ルールが整備できたら、それをもとに従業員への研修でスキルアップとシステムの共有を進めます。この際、対象となる書類を頻繁に扱う部署や各部署のキーマンなど、ある程度絞ったメンバーからスタートし、徐々に範囲を広げていくのが有効です。

運用を開始しながら評価・改善していく

社内での研修や共有ができたら、いよいよツールの運用を開始し、ペーパーレス化を本格的に進めていきます。導入したら、現場での使用感や成果などを定期的に評価しながら改善していくことが重要です。データの入力漏れや操作ミスがあるか、資料共有は進んでいるかなど、現場へのヒアリングなども含め、広く情報が収集できるようにしておきましょう。またシステム導入時には、紙の削減量や効率化する作業時間などのKPIを定め、達成度合いを見える化すると効果的です。

建設業界でペーパーレス化を進める際のポイント

最後に建設業界でペーパーレス化を進める際のポイントを4つご紹介します。

段階的な導入

電子化する際には、一気にすべての書類を電子化するのではなく段階的に導入するのがポイントです。一気に電子化を進めると、現場の混乱や反発につながりかねません。また、システムトラブルが発生し、業務に影響が出る可能性もあります。まずは特定の部署や書類だけに限定して導入を開始し、運用方法やシステムに問題がないかを確認しながら段階的に導入を広げていきましょう。小規模な導入で成功体験を重ねることによって、現場の理解も得やすく、導入もスムーズになるでしょう。

現場で利用しやすいツール・サービスの選定

ペーパーレス化を成功させるには、現場に合ったツールを選ぶことがポイントです。建設現場では自社だけでなく協力会社も関わるため、ITリテラシーの違いにも目を向ける必要があります。また、システムを選定する際はサポート体制の充実も欠かせません。システムのトラブルや操作方法がわからないといった場合に、迅速にサポートし答えが得られる体制を整えることは、運用をスムーズに定着させるために非常に重要です。サポート体制も含めて入念にチェックし、いくつかの候補を比較検討するようにしましょう。

セキュリティ対策とバックアップ体制

最も注意が必要なリスクは、インターネット上でのハッキングです。データを保管しているサーバーやクラウドサービスに、悪意あるユーザーが攻撃を仕掛けることで、情報漏洩やデータ消失のリスクが発生します。システムを選定する際は、セキュリティ対策がしっかり施されていることはもちろん、SLA(サービス品質保証)やSLO(サービス水準目標)を公開し、運用体制や稼働率を明示している信頼性の高いサービスを選ぶことも重要です。また、万が一に備えて定期的なバックアップも欠かさないようにしましょう。従業員側の教育も必須です。フィッシング詐欺や電子端末の紛失などで情報漏洩につながる事例も数多くあります。従業員のITリテラシーを高める継続的な教育は必須といえます。

定期的な改善

ペーパーレス化は導入後に効果測定を行うのが重要です。ペーパーレス化によって削減できた業務や時間、コストが目標に達しているかを確認し、必要があれば改善策を打ち出します。クラウドサービスなどでは定期的なツールのバージョンアップや新機能のリリースなどもあります。常に最新の情報を確認しながら、業務を改善していくことでペーパーレス化の効果を最大化していきましょう。

まとめ

本記事では建設業界におけるペーパーレス化の必要性やペーパーレス化の流れ、導入の際のポイントなどについて詳しく解説しました。

いまだ紙の文化が多く残る建設業界において、ペーパーレス化は業務効率化、コスト削減、セキュリティの強化など多くのメリットにつながります。スムーズな導入に向けては、適切なシステム選定や運用ルール作り、現場教育がポイントです。株式会社ダイテックが提供する注文分譲クラウドDXは、受発注業務のペーパーレス化や住宅建設業務全体の一元化など、企業のペーパーレス化を促進するさまざまな機能をご用意しています。ペーパーレス化を検討している担当者様は、ぜひ導入をご検討ください。

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