データ管理ができるかどうかで未来が変わる。
「 品格のある日本の美しい家」をコンセプトにした注文住宅をていねいに手がけるゆい工房様(岩手県滝沢市)。13 年前にローコストからの撤退を決意。以降、独自の積算システムをつくり、設計力を磨き上げ、自然素材や地元の材料にこだわった家づくりが評価をあつめています。「これからはOB 顧客情報+小工事の利益を管理するしくみが不可欠」と考え『工務店向けクラウド』の導入を決めました。「これをフル活用すれば、工務店経営者の悩みは8割方解消できると思う」と話します。

(株)ゆい工房 代表取締役 川原徳昭 様

岩手県滝沢市

会社の未来を見据えて

当社の売上(約7億円)の内訳は、7割が新築注文、3割弱がリフォームや大規模なリノベーションです。
「人と環境にやさしい家づくり」を掲げていることもあり、ゆくゆくは半分をリノベにしたいと考えています。
当社のリフォーム事業「家守り職人」は、メニューチラシ型のリフォームではなく、OB宅の定期点検を起点にした「地域貢献型の修繕」が特徴です。1・5・10年ごとの定期点検を徹底し、そこから派生する小工事は年間7000〜8000万円。今後はこうした小工事がリノベ受注のきっかけになるとにらんでいます。
ただ、リフォーム事業を進めるうえでネックとなっていたのが、社内のデータ管理の甘さ。設計図書や確認申請関連の資料など、少なくともお客様の資産になるデータをだれでもわかるように管理できなければ会社の未来はない——そんな危機感がありました。約700組いるOB 顧客情報をきちんと管理し、小工事の利益管理を徹底することが自分たちの未来の仕事をつくるはず。そのためには『工務店向けクラウド』の力が必要でした。

難しいのは社内ルールの徹底

これまで、OB 顧客情報や業務資料、設計図書は、社内サーバの共有ファイルに格納していました。ただし、サーバはすぐにいっぱいになってしまい何度も移設・増設を繰り返しているため、あちこちにデータが点在し1カ所で管理できない悩みがありました。 また、OB顧客情報は紙でも保管していましたが、こちらにも限界が。何百冊もの分厚いファイルが棚に入りきらなくなり、さすがにペーパーレス化しないとまずいなと感じていました。振り返ると、データ管理がうまくいかない理由は、社内の「ルール付け」が浸透しなかったため。かつてISOに挑戦した際にも、ISOの取得よりも運用の難しさを痛感しましたが、それとまったく同じで、いくらやるべきことを細かく、わかりやすく文書化・ルール化しても、日常業務に落とし込むことができなければ、だれもやらないし持続しません。残念ながら社長の想いやねらいは、なかなか末端の社員にまで行き届かないのです。その点『工務店向けクラウド』なら、いちいち文書化・ルール化しなくても、これを業務のなかで使っていれば自然とデータ管理が実現できる。そのシンプルさが気に入りました。

コストをかける価値がある

世の中には無料のクラウドサービスもいくつかあります。でも、こういうコストをケチってはいけないと思います。
中途半端なシステムは結局使わなくなってしまうので。また、『工務店向けクラウド』を使い倒せば、かけたコスト以上の結果と継続性が見込めます。事務スタッフ1人分の人件費は浮くので、長期的に見ると利益を残すために不可欠なシステムだと思うのです。すでに顧客管理をはじめ、原価管理、工程管理などほぼすべての機能を活用していますが、工務店ならこれだけそろっていれば十分。この項目を入力しないと次に進めないといった操作上の縛りがないので、それも日常業務への落とし込みやすさにつながっています。これまで紙ベースで貯めていたOB顧客データも必要なものを仕分けしてスキャンし、700〜800件はクラウドに移しました。

経営者の悩みが大きく減る

何より良かったのは、経営者である私の精神的な負担が軽くなったこと。大げさではなく、顧客データを適切に蓄積・管理できるかどうかは長い目で見ると会社の経営・存続を大きく左右しますが、データの運用状況がリアルタイムでわかるので疑心暗鬼にならなくて済みます。数字を見える化したおかげで、いちいち言わなくても社員が理解してくれるようになったのも収穫です。『工務店向けクラウド』を使うことで経営者の悩みの7〜8割は解決できる、と言っていいかもしれません。
そして、使っていくうちに、これまでデータ管理や情報共有に割いていた手間が減り、余力が出てきます。そのエネルギーを当社の強みである設計ディテールなどのデザインに費やして、付加価値を上げていきたいですね。